ブラジルについての基礎情報
首都はブラジリア、8,511,965平方キロ(日本の23倍)の国土を持ち、26の州と首都ブラジリアからなる連邦共和国です(ちなみに1960年4月までは首都はリオ・デ・ジャネイロでした)。正式名称は「ブラジル連邦共和国」。使用通貨はレアル(Real)で公用語はポルトガル語(ブラジル・ポルトガル語)です。
ブラジルに住んでいる人々
ブラジルにはもともと、それぞれに違う文化をもつ多数のインディオの先住民が住んでいました。そこに新大陸を捜し求めてやってきたポルトガルを中心とするヨーロッパ移民、奴隷として多数つれてこられたヨルバ国出身(サハラ砂漠西方)の黒人が加わり、徐々に人種間の混血が進んでいきました。
19世紀末にブラジルは世界のあらゆる国から移民を受け入れた結果、混血がさらに進み人種のるつぼと呼ばれるほどの他民族国家になっています。
ブラジルの地域情報
ブラジル北部
大部分が世界の5分の1の水量を誇っているアマゾン川流域にあり、生い茂った熱帯雨林に広く覆われています。19世紀よりゴムの生産によって注目を浴び人口も収入も急増してはいましたが、ゴム市場の崩壊により衰退していきました。20世紀半ばには、鉱物資源と農業に注目が集まり、政府の支援の下に移住計画が行われましたが、環境破壊に脅かされることにもつながったこともあり、現在は様々な開発抑止政策により管理されるようになりました。今日では、アマゾンの熱帯雨林の保全は通信衛星によって監視され、国際団体による「パイロット・プロジェクト」を通して、環境保全が強化され、違法伐採などは厳しく取り締まられているそうです。
北部の州
アクレ | アマゾナス | アマパー | トカンチンス | パラー | ロライマ | ロンドニア
ブラジル北東部
北東部のペルナンブーコ州とバイーア州は植民地時代の中心地であったため、そこに住んだ黒人から生まれたカンドンブレー(アフリカ系の宗教や宗教音楽)、カポエイラなどの格闘技、ムケカなどの料理、様々な習慣はブラジルの文化に浸透して、様々な形で影響を及ぼしています。ブラジル固有のものとして定着しブラジルを代表する料理であるフェイジョアーダも、元は黒人奴隷が捨てられていたくず肉で作った料理であった事を考えると、北東部の文化の影響力をうなずけます。
また、植民地時代の様々な建築物が残り、世界遺産として登録されている場所が多い地域でもあります。
広大なこの地域は慢性的な干ばつが発生しており、住む人間はあまり豊かではありませんし、犯罪もたくさん起こっています。ただ、近年では豊富な油田が眠っていると認識され、それにともなう経済的な成長が見込まれており、政府が強い関心を向けている地域でもあります。
ブラジル北東部の州
アラゴアス | セアラー | セルジッペ | バイーア | パライバ | ピアウイ | ペルナンブーコ | マラニョン | リオ・グランジ・ド・ノルチ
ブラジル中西部
かっては国内の過疎地域の一つでしたが、1960年に計画都市である首都ブラジリアが作られてからは、一次産品が急速に拡大し、新産業も数々うまれて人口の増加が見られています。ただし、ブラジリアについては都市周辺部との格差や、インフラ面において計画都市であるゆえの問題を抱えるなど、解決しないといけない課題を抱えています。
この地域には、かつて原住民のインディオが住んでいた広大なインディオ保護地区や、カピバラで有名なパンタナール大湿原などが、存在しています。
ブラジル中西部の州
連邦直轄区(ブラジリア) | ゴイアス | マット・グロッソ | マット・グロッソ・ド・スウ
ブラジル南東部
人口の大半はこの地域に集中しており、工業、農業共にかなり発達しています。特にサン・パウロ、リオ・デ・ジャネイロ、ベロ・オリゾンテはブラジル経済の中心地と言ってもいいほどです。「全ての鉱山」を意味するミナス・ジェライス州の豊富な鉱物資源(世界遺産に認定されたオウロ・プレットなどが有名)、サンパウロのコーヒーなど、国内向け国外向けの様々な農作物や鉱物資源が生産されています。
また、リオのカーニバルで有名なリオ・デ・ジャネイロには、ポン・ジ・アスーカル、コルコバードの丘(キリスト像)コパカバーナ(ビーチ)などがあり観光都市としても有名です。
ブラジル南東部の州
エスピリト・サント | サン・パウロ | ミナス・ジェライス | リオ・デ・ジャネイロ
ブラジル南部
ブラジル高原が南に向かって下降しウルグアイ、アルゼンチンへと続くパンパとの移行地帯となっています。この平原では伝統的に牧畜が盛んでガウーショ(カウボーイ)も存在する。この地域は産業のバランスもよく開発はかなり進んでいます。また、世界最大の水力発電所イタイプダムや、世界三大瀑布の一つにも数えられるイグアスの滝があります。
アメリカのルーズベルト大統領が夫妻で訪れた際、イグアスの滝を見た夫人が「かわいそうな私のナイアガラよ」と言った有名な逸話や、先住民グアラニ族の言葉でイグアスが「大いなる水」という意味を持つように、最大落差80メートル以上の巨大な滝が持つ迫力はかなりのものです。
ブラジル南部の州
サンタ・カタリーナ | パラナ | リオ・グランジ・ド・スル